コラム

トイレのリフォームで知っておきたい、座面の高さについて

便座を変える程度の小規模なものから、個室空間の全面リフォームまで、さまざまなパターンがあるトイレのリフォーム。まずは現状を把握しておくのが大切です。ここではトイレのリフォームを検討する際に知っておきたい便座の座面の高さについて考えてみます。

便器の高さ今昔

便器の高さとは、洋式便器の便座を下ろしたときの、床から座面までの高さを指します。時代とともに便器本体の高さが変わってきているため、場合によっては、リフォームによって数センチ程度高くなってしまうかもしれません。

メーカーや発売時期、型式によってばらつきはありますが、1990年代より前は約35センチが標準的な便器の高さでした。同時に高さ36~37センチの便器も発売されていて、各メーカーとも、年を追うごとにより高めのサイズにシフトしてきています。最近は約38センチのものが主流で、中には約42センチの製品を発売するメーカーもあります。

仮に、いま使用している便器の高さが35センチのものだとして、現在発売されている新しい便器に取り替えた場合、最低でも2~3センチは座面が高くなる計算です。もし42センチある便器に交換したらリフォームによって7センチも座面が上がるので、「以前と勝手が違って使いにくい」ということにもなりかねません。

発売される座面の高さは、日本人の平均身長が伸びているのに伴って上がっています。しかし、リフォーム後も座面の高さを変えたくない場合は、トイレの床全体を上げる施工プランも検討する必要があるかもしれません。

リフォームで座面高を高くする

長身の方や膝が悪い方の中には、トイレでの立ち座りが億劫だったり、高齢になって足腰が弱って立ち座りがつらかったりする方もいらっしゃると思います。その場合は、座面の高いトイレの方がしっくりくるかもしれません。
便座に座ったときの膝の角度が90度かそれ以上だと、膝腰への負担が少なく、立ち座りが楽にできるといわれています。先述したとおり最近の便器は高さがあるので、便器を新しくすることで解決できる可能性があるでしょう。

より座面を高くしたい場合は、一般的なものよりも高さのある便器がおすすめです。車椅子を使っている人が座ったまま横移動しやすいように考案され、2014年にはJISに規定された「高座面形大便器」と呼ばれるものです。また、座面高を高くする「補高便座」という器具を使う方法もあります。便座の下に挟んで固定し高さを調整する器具ですが、メーカーによって簡易な置き型タイプも発売されています。

ショールームで座面高を確かめる

座面の高さは、便座の分を足して便器の高さよりも約3〜4センチプラスされます。また便座の表面は平らではないので、形状によって高さの感じ方が少しずつ違ってきます。トイレのリフォームで便器の交換を検討する場合は、ショールームへ行き、実際に座って確かめてみるのがおすすめです。その際は、靴を脱ぐなど家と同様の格好で座ってみましょう。

洋式便器は、ひと昔前より高くなっています。リフォームを検討する際は、現在使用している便器の高さを確認し、新しい便座の高さを選ぶ参考にすると安心です。膝腰への負担にも影響するので、できればショールームで確かめるようにしましょう。

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